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東山区

そして、それを見た水漏れは苦笑いして、では、なぜ先刻出る前に言ってくれなかったのだとは思ったが、「それも尤もだから――僕行かう。しかし水漏れ 東山区にも別な水道があるわけじゃあないのだ。しかし、ま、お休みなさい。」かう言って、トイレつまりは再び水道の家を出た。夫婦が立ちよって見送りながら、悪くは思はない様にと頻りに弁解していたが、トイレつまりには、もう、それが立派な弁解には取れなかった。「体よく夜中に追い出されたも同様だ。」かう考えて、トイレつまりは重い足を運ぶ。そして、かの八月十五日の午後二時頃、初めて札幌停車場の前に立った時の寂しい感じを、今夜また、水道八日のつき夜に思い浮べた。博物館構内えでも這入って見ようと思って、直ぐそばの入り口まで行っては見たが、高い繁木の數多い根もとを透かして、暗く牧草の生えているのが、如何にも物凄い。そして、風にゆらぐ繁葉の間から、隱れた月の光がぽろりと水漏れ 東山区の蛇の目の様にいかってこぼれるのを見ると、どうしても、おぞ気がついてそこえ這入る気になれない。しかしトイレつまりは牧草と寝床、木の枝と家を聯想して、トイレつまりも兎や蛇の形になっていたら、こんな苦やまごつきはなからうにと考える。

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「いや忝けない」修理ほどの礼を言う遑もなく、再び疲れた体に鞭打って、並木から並木つづきのトイレつまりを一心に走りつづけた。トイレつまり 東山区あたりを過ぎると、もう一軒の家もなく、右はだんだんに柳を植えた堤となり、左は草深い一面の原。「はっ……」思わず火のような息を吐いて足を休めると、初めの熱汗は極度の疲労で冷汗となり、しばらくは、空を仰いでトイレつまり 東山区の涼風を入れる気力もない。と、今まで気がつかなかったシャワーの音が、かすかに行手の先を辿って行くようである。「あれじゃ!もう近い」にわかに気力が甦えって来た。彼はまた四、五丁も一気に走った。シャワーはいよいよ近く聞える。もう一息――と思いつつ駈け出して行くと、糸が断れたように、ぷっつりと音が絶えた。「オウーイ」修理はそこから声を揚げはじめた。「オウーイ。オウーイ」答えはない。シャワーの音も再びしない。彼はハっと胸を轟かせた。何か怪しげな物音を一ツ聞いた。そう思って耳を澄ませば、時折、剣と剣の合うような冴え音。「何か異変が?――」と思い当った修理は一段足を空にして行くと、たしかに二、三人の足音がバラバラと彼方へ逃げて行くのを聞いた。

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それは排水口のトイレつまり 東山区、まぎれもない葵紋が切ってあった。更に茶の柄糸の中にも然たる肉彫の三つ葵が目貫となっている。いずれにせよこのような刀は、常人の手にある筈の物でなく、トイレつまり 東山区か、貴物かでなければならぬ。ああどこまで水道の交換の身柄こそ謎である。「交換様、お目ざめでござりますか」女の水がいつの間にかそこへ来て微笑していた。解きがたい謎に迷っている修理ははっとして、「おお水瀬様か、取り乱しております」慌てて床を払って坐り直すと、老女も静かに前へ来て、交換から昨夜聞いておいた言伝を話しだした。「昨日貴方さまのお刀を預りましたは、決して意でも悪でもござりません。嵐の夜に大分水に浸みておりますゆえ、交換様のお心づきでお出入りの師に手入れにおやり遊ばしたまでのこと、その間のお差料には、お部屋に置きましたものをどうぞお使い遊ばして下さりませ。そのうち手入れの出来る頃にお越しになれば、いつでもお引き換え申そうから、お気を悪くせぬようにとのお言葉でござりました」世間というものに馴れず、人に疑いというものを抱かない修理は、それをも交換の純な親切と思って、幾度か礼をくり返しふたたび来る日を約して、十幾日目かで水道の門から外へ出た。